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「外断熱」バカになるまでのストーリー |
| 恥ずかしい話ですが、昔は、家の断熱のことなんて全く気にしていませんでした。 「静岡は暖かいから断熱なんていらない。」とか、 「中気密中断熱くらいが丁度いい。」とか、 こんな話を信じていました。 平成8年の寒い冬、「外断熱」の家に出会うまでは… |
![]() 空気に敏感な社長 |
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外断熱との出会い |
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| 今から13年前の平成8年1月。遠く離れた三重県名張市の高級住宅の施工を請けることになりました。最初に工事を請けた工務店が途中で倒産してしまい、引き継ぐ会社が無かったので、独立して間もない私に白羽の矢がたったのです。 途中で放り出された現場は、今まで見たことの無いような悲惨な状況でした。あまりに手直し箇所が多くて工期中に終わるのだろうかと不安になりました。「断っちゃった方がいいんじゃないか?」ふと頭をよぎりましたが、これも縁、なにかプラスになるだろうと引き受けました。 朝の4時にハイラックスサーフに道具を積み込んで菊川を出発。名張に着いて、ガソリンスタンドのおじさんに「いい左官屋さんいたら紹介してくれ。」と頼んだのが第一声でした。見知らぬ土地で見知らぬ職人を使い、倒産のドタバタでグシャグシャになっている現場をまとめるのは本当にたいへんでしたが、一つ一つ問題をクリアしていきました。 大工は静岡から連れて行きました。一緒に民宿に泊まり、電車に乗って、雪の積もった坂道を歩いて現場に通いました。私も作業着を着て一日中作業を手伝うのですが、途中で大工が「なんかおかしい。この現場は暖かすぎる。」と言い出しました。確かに、作業が進むにつれて、ダウンを脱ぎ、セーターを脱ぎ、どんどん薄着になっていきます。ストーブをたいているわけでもないのに、作業員の熱気で室温が上がっているようでした。 「なんで?」「外は雪が降っているのに??」東京から来た設計士に尋ねると、これが「外断熱」の効果だと説明を受けました。まさにカルチャーショックでした。 「こんな家があるのか!」それからは、設計士が来るたびに質問攻め。熱交換式換気システムの施工にきた職人さんとも半日話し込みました。 「外断熱の家を静岡で造ってみたい!」少年のように心が熱くなりました。 |
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外断熱一棟目は友人宅 |
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| 名張での工事が終わり、静岡に帰ってきてからも、文献を読みあさりました。当時、外断熱は北国で注目され始めたばかりの工法だったので、大学の研究室から発信されている情報がメインでした。 そして、1年後の平成9年。高校のときの同級生が自宅の新築を頼んでくれました。当時、「外断熱」は業界でもほとんど知られていなかったのに、それを同級生に無理やりやらせてくれと頼み込みました。同級生は、お前がそこまで言うなら任せると言ってくれました。 新築工事も終わりに近づいた12月。冷たい風の日でした。現場に行くと、外でドカジャン来て作業しているタイル屋さんが「なんだ?この家は?中でクロス屋がTシャツで仕事しているぞ。」と驚いていました。得意満面になって外断熱の効能を説明したことは言うまでもありません。 名張での感動の再来でした。 |
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自宅での失敗 |
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友人宅が評判になって、その後私の手掛ける家は、全て外断熱で施工することができました。そして、独立して4年後の平成12年。いよいよ自宅を新築することになりました。 |
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シックハウスという現代病 |
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| 同じ頃、高気密の家や施設での健康被害が報告され始めました。 シックハウス症候群といって、新建材から放出される化学物質を長期間吸い込むことによって、一定の化学物質に対して過剰反応を起こしてしまう症状です。この症状は花粉症と同じように、ある日突然発症して、一度発症すると治す術はありません。 新建材は30年以上前から使われているのに、最近になってシックハウス症が増加しているのは、建物の気密が高くなっているからです。ボンドやペンキに使われている化学物質の逃げ場がなく、建物内に滞留してしまうのです。 外断熱の家も高気密です。こんな快適な家なのに、一方では健康を脅かす恐れがあることにはショックでした。 そのうちに対策として、建築基準法により全ての住宅に24時間換気が義務付けられました。しかし、換気だけで果たして問題が解決できるのでしょうか? 私は軽いシックハウス症状を持っています。修行時代、会社のバンにいつも養生用のベニアを積んで走っていたのが原因だと推測しています。(今でもベニアは大嫌いです。) だから、空気の品質には非常に神経質です。換気しているから大丈夫という安易な言葉は信じられません。換気しなくちゃならない原因を取り除くのが先だと思います。 一番問題なのは、押入れやクローゼット。ここは換気が義務付けられていませんが、自宅での失敗から、換気が困難なことは実感しています。もし、ボンドやペンキを使った建材で仕上げてしまうと、そこから放散した化学物質はいつまでもそこに留まり、やがて布団や衣服に移ってしまいます。 人生の3分の1は布団の中にいるというのに、それが汚染されているなんてゾッとします。 ![]() |
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中途半端な断熱工事がアレルゲンを作る |
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| もう一つ、最近の家が原因だと言われている病気があります。それは、アトピーとアレルギーです。この症状を持った赤ちゃんやお子様を見ていると、「私の造った家で少しでも症状を軽くしたい。万が一でも重くなるようなことはあってはならない。」と強く思います。 このアトピーやアレルギーの原因の一つにハウスダストが知られています。身体に良くないハウスダストとして、カビやダニの死骸が考えられますが、これらのアレルゲンならば、家の造り方しだいで減らすことが可能なのです。 カビもダニも水分を好み、湿気たところで発症します(生存率が上る。)家の中で水分があるのはどこでしょうか?キッチンや浴室?もちろん、水廻りを清潔にしておくことも大事ですが、実は、床の隅や壁の中など目に見えないところが問題です。 冬の間、暖められた空気が窓ガラスで冷やされて結露する現象はよく知られています。サッシの周辺にカビが生えているのを見たことはありませんか?同じように、床の断熱が弱いと床の上で結露するし、壁の断熱が弱ければ壁でも結露します。家具の裏は湿気の有力候補地です。また、中途半端に断熱された家(中気密の家)では、壁の中で結露してカビが発生します。 結露は温度差によって生じるので、家の中に温度差が無ければ結露しません。実際、昔の家は隙間風だらけで家全体が寒かった(温度差が無かった)ので結露が起きませんでした。しかし、最近の中途半端な断熱の家では、暖められた空気が壁の中などで冷やされて結露してしまいます。これがカビやダニの生存率を高めてしまうため、最近になってアトピーやアレルギーが増えたと言われているのです。 しかも、結露は、カビ、ダニ以外にも、シロアリや腐朽菌を呼び込み(生存率を高め)、家の寿命をも縮めてしまう諸悪の元凶です。 ![]() いくら自然素材を使っていても家の中(壁の中)に温度差が生じることで、空気を汚染してしまうのです。 |
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新しい常識を知って欲しい |
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| 建物の気密断熱性を高め、家庭でのエネルギー効率を向上することは、地球環境の上からも大変重要なことです。 今後もますます住宅の高気密高断熱化は進んでいくでしょう。 しかし、高気密高断熱の家は、使い方を間違えると人の健康を傷つけてしまう諸刃の剣であることも知ってください。私たちは、過去の常識を変えなくてはいけないのです。 一番重要なのは、建築資材として身体に良くないものは使わないということ。 当たり前のようなことですが、この当たり前のことを、今までの建築業界はないがしろにしてきました。ペンキやボンドを多用しても換気をすれば良いというのは机上の空論です。モトから絶たなきゃダメなのです。 次に、確かな気密断熱工事により、家の中に温度差を作らないということ。 温度差は、結露を生み、カビ、ダニ、シロアリ、腐朽菌の生存率を高め、人と家の健康を損ねる原因となります。中途半端な断熱工事は、温度差を作る一番の原因です。 |
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外断熱と無添加素材がキレイな空気を造る |
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| 幸せを願って建てたマイホームがご家族の健康を脅かすようなことは、決してあってはなりません。 そのために我々がしなくてはならないこと、それは室内の空気環境の向上だと信じております。 シックハウスで空気にやたらうるさい私が、外断熱の家に10年住み、どこにいっても温度や湿度やニオイを気にして、そして、行き着いた結論は、「健やかな暮らしはキレイな空気環境から」ということです。 新鮮な空気環境なくして、快適な暮らしはあり得ません。いくら性能やデザインが良くても、空気が悪ければ台無しです。 ですから、ウィングホームでは、家の「構造」と「仕上げ」の面から、室内空気の品質向上に努めています。 『外断熱』の構造は、快適な温熱環境を作り、家の中の温度差(湿気)を解消します。 『無添加素材』の仕上げは、安全な空気を提供します。 『外断熱』と『無添加』。この二つが両輪となって、はじめて、ご家族が安心して暮らすことのできる空気が得られるのです。 |
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後書き |
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| 私の家は建材のニオイを嗅いでから採否を決めたので、自宅が原因でシックハウス症が進行することはありませんでした。しかし、新築工事の最中に自然塗料と称されているオイルを使って自分で塗装していたところ、二日目に原因不明のジンマシンと高熱に襲われ、病院に担ぎ込まれました。自然塗料、自然素材といっても混ぜ物が入っていることもあるので注意が必要です。また、天然の木材であっても、樹種によっては、その成分に過敏に反応してしまう人もいるので注意しましょう。 最近、高気密高断熱の家が普及していくなかで、また新たな問題がでてきました。それは、設計者が『家には熱源はあるが冷源は無い。』という当たり前の事実に無頓着なことに起因するクレームです。高気密高断熱の家は、冬に暖めることは簡単ですが、夏に自然に冷やすことは非常に難しいのです。この特性を無視して設計された家は、夏に直射日光をまともに受けてどんどん温度が上がり、夜になっても温度が下がらず、省エネどころか、燃費の悪い家になってしまいます。高気密高断熱の家を設計するときには、新しい常識が必要です。プランニングにあたっては、光や風の動きを充分に考慮する必要があります。 もう一つ、最近になってわかってきたことがあります。それは、外断熱の家が長持ちするということ。充填断熱(柱と柱の間に断熱材を充填する工法)では、柱の室内側の面と反対側の面とで温度差が生じます。例えば、冬には一本の柱で、室内側が25度、外側が0度となり、反り、割れ、結露が起こりやすくなります。これに対し、外断熱(柱の外側に隙間なく断熱材を配置する工法)では、柱も壁内も均一の温度になるため、構造体が温度差によって影響を受けることはありません。
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最後までお読みいただきありがとうございました。 |
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